粘土で型取ったユビって。
お客様からこのようなお問い合わせをいただきました。
指紋認証の新製品「S1」について、
http://www.myshop.co.jp/unit/silex/bio/s1.htm
「粘土で型取りした指紋を使っての認証はできますか?
通常のものは、モノによっては大抵できてしまうらしいのですが。」
やはり、いかに生体認証でも、模造される恐怖と、その可能性は残されています。
静脈認証でさえ、大根の繊維を使って偽造できると豪語する学者まで登場しています。
(ホントかいな?)
さて、従来型の指紋認証は、ユビをセンサに「ペタシッ」と直接くっつけて読みとるタイプ。
ユビ表面に浮き出ている「指紋」そのものの凹凸や、指紋の切れ目、交わる所などの特徴を点として捉え、暗号化して保存する方法をとっています。
非常に簡単で、ユビをおく位置も気にせず、ただ「ペタシ」とユビをくっつけるだけで、本人かどうかを判断します。
その一方で、
●ユビ表面の状態に左右される。
(極端な場合以外はほとんどOK)
●センサに指紋の跡(残留指紋)が付着する。
(普通、すぐに消えますが、悪意を持った人が採取する可能性あり)
●食用グミやシリコンなどで偽造した指紋を読みとることがある。
(どの程度の正確さで読みとるかは不明)
など、いくつかの問題点を持っていました。
生体認証に関していえば、どの認証にもそれぞれメリットとデメリットがあり、偽造や模造による「なりすまし」に常にさらされていると言っていいでしょう。
シリコンで正確に指紋を再現した場合はともかく、あの甘酸っぱい食用グミで整形した指紋でどのくらいの認証率があるのでしょうか、そのあたりは疑問です。
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さて、真皮認証「S1」は、上記の問題を点をことごとくクリアした製品です。
○ユビ表面の状態に左右されない。
○センサに直接ふれない。
○シリコンやグミなどで模造したユビには反応しない。
「S1」はユビ表面の奥にある「真皮」の凹凸を、
人体に流れている微弱な電気を利用して読みとるセンサです。
人体に流れる微弱な電気を利用することから、シリコンやグミどころか、物騒な話ですが、本人のユビを切断して読みとらせようと思っても、それは不可能です。
なぜなら、生きていないから。
また、表皮の奥の「真皮」を読みとるので、
◆仕事上指紋がかすれて薄かったり、
◆ユビ表面が濡れていたり、
◆ユビ表面が乾燥していたり、
◆ユビ表面に傷があったり(後で出来ても)、
などの場合でも正確に真皮を読みとることが出来ます。
さらに、センサに直接ユビが触れないため、残留指紋も残りません。
その分、「精神的に安心」と言えるかも知れませんね。
ずいぶん長くなってしまいましたが、冒頭のお客様のご質問
「粘土で型取りした指紋を使っての認証はできますか?
通常のものは、モノによっては大抵できてしまうらしいのですが。」
に対する回答は、
「粘度、シリコン、グミなどの人工物で型取りしたようなものは、
S1では検知されません。」です。
念のため短所といえることも付け加えておきます。
▲スライド式なのでユビの認識方向に自由度がない。
▲ちょっとお値段が・・・。
といったところでしょうか。
http://www.myshop.co.jp/unit/silex/bio/s1.htm
様々な生体認証がありますが、今後も精度を更に上げていくことでしょう。
精度と単価、使い勝手や使用頻度を考えて、自分(自社)に合った生体認証を上手に選んでくださいね。
やっぱりお客様のお問い合わせっていうのは勉強になります。
いつもありがとうございます。